《ガラッーー!》


空き教室のドアが勢い良く開いた。 


驚きながら音のした方向に視線を向けると、眉間に皺を寄せ不機嫌そうな陸くんが立っていた。


「……何やってんの?」


「陸くん……」



こんな姿見られるなんて……。


「……………っ」



急いで一生から離れようとしたあたしを一生は離さなかった。



「お前こそなんでこんなとこにいるんだよ?」


あたしを抱き締める腕にギュッと力を込めた一生。 


「……亜紀、こっちきて」


陸くんは無表情のままスタスタとあたし達に近付きあたしの腕を掴むと強引に一生から引き離した。


そして陸くんはあたしの腕を掴んだまま無言で教室の扉を開けた。