「ちょっ!何……?」


一生の腕の中であたしは小さくもがいた。


「期待させんな。バーカ」


一生はそう言うとあたしを更に強く抱き締めた。


突然の出来事に頭の中が真っ白になる。


「っ……」


嫌なら無理にでも体を一生から引き離せばいい。 


大声で叫べばいい。 


本気で抵抗すればいい。 


でも……今のあたしにはそれができなかった。