「……――くそっ!」


去っていく福原の背中がどんどん小さくなっていく。

俺は近くに落ちていた石を思いっきり蹴飛ばし、その場にへなへなと座り込んだ。


最初からなんとなく気付いていた。


福原は俺を明らかに敵対視していると。


挑発するような言動。


でも信じたくなかった。


あいつが亜紀を好きだという事実を。


あいつは他の男とは何か違う。


あいつを初めて見た時から、俺は他の男とは違う何かを感じ取っていた。