「な、何?」
(しょーぞー君がそんな呼び方するなんて珍しい………)


空は息を呑み、祥三の次の言葉を待つ。


「今日は何の日だったかなぁ?」


少し身を屈めて、祥三は空の顔を覗き込んだ。


「えっ?さっきこうちゃんの誕生日だって言って「それだけじゃないんだよなぁ~っ。」」


空の言葉を遮った祥三は、空のほっぺを両手でつまみ引っ張る。


「いひゃい~~(いたい~)。」

「こんな大事な日を忘れるなんて、くうちゃんたらひどいなぁ~~。」


にっこりとした笑顔を崩さないまま、祥三はさらに引っ張りながら言う。


「うぅ~~。はにゃしぇ~~。ひょうは、ひょかににゃんもにゃいでひょ?ひゃぶん。
(うぅ~~。はなせ~~。今日は他に何も無いでしょ?多分)」

「はぁ~~~っ………。」


ビチンッ―――

「~~~~~っ!!」


ため息をついた後いきなり離された頬に両手をやって涙ぐみながら空は祥三を見上げる。