「「ん?」」


2人が行くのを阻むような声が後ろから聞こえ、そろって後ろを振り返った。


「おい、お前ら大事な事忘れてるだろ?」

「しかも、そのまま行こうとしただろ。」


振り返るとスーツを身にまとう2人の男がいた。


「あっ、こうちゃん。」
「あっ、しょーぞー君。」


2人の男を見て、空と雅は声を合わせてこの2人の名前を呼んだ。


「雅、今日は何の日だ??」

「えぇっと…、う~~~んと。」


こうちゃんと呼ばれた男の質問に、雅は目を泳がせながら懸命に思い出そうとしていた。
そんな雅を問い詰めていくかの様に、壁に追い込みながら距離を縮める。


「えぇっと、えぇっと、………っ!!
あっ!!!!」

「思い出したか?」

「うん、思い出したよ!!」


雅が思い出してそう告げたときには、2人の距離はほとんど無いに等しいほどであった。