「………――――誕生日。」

「ふぇっ??」

「俺も今日誕生日なんだけど。
てか本人に言わすなよなぁ~、もう。」


腰に両手を当て、ため息混じりに祥三は告げた。


「えぇっ!!??だって今日って、6月13日。
って、あぁ!!そうだったよね!?」

「……たく。俺ら初めて会った時もこの日だったってのによ。そん時も似たようなこと言ってたよな。」


港貴と祥三に初めて会ったのは、2年前のこの日。

雅と空は、珍しく河原で一緒にひなたぼっこをしていた。その日は学校が休みで、2人は朝からずっとそこでのんびりしていた。
しばらくそうしていると、2人ともあまりの気持ちよさに河原の土手でぐっすり眠りこんでいた。


「おぉいっ、お前らこんな所で寝てたら風邪ひくぞ?」


その声に空と雅は目を覚ました。2人に声をかけたのが港貴と祥三の2人だった。


「君達こんな所でなにしてるの??」


そうやさしく微笑みながら教えてくれたのは、港貴の方だった。


「えっと~、今日は学校が休みだったんでちょっと日向ぼっこをしてて、そしたら寝ちゃって。」

「お兄さん達は何してるんですか?」


目を覚ました空と雅は2人にたずねた。


「あぁ、俺らぁ?今日は大学だったんだけど、今日の講義休講になっちゃってさ。それで祥三…、あ、こっちにいる奴ね。こいつとこれから遊びいくところだったんだ。したら、君達がいたから気になってきちゃった。」


優しい笑みを浮かべたまま、港貴は2人の問いに答えた。