おなじ中学の制服を着ている。

「超失礼。」

紅い髪は、黒髪のYシャツの襟首を掴んで離す。

私は目を丸くして見た。

イメージが…、不良と優等生が反対になる。

「ごめんね、大原(オオハラ)さん。」

紅い髪は、保護者替わりのように謝った。

「だ、大丈夫。」

返事をする。

「大原何ちゃん?」

全然反省していない黒髪は、興味津々に問いかけてくる。

「大原雨水(ウミ)。」

「雨水ちゃんっていうんだ。
アマミズちゃんとかいうのかも、と思ってた。」

はい、と何かが差し出される。

傘だった。