でも、多分。

「茨の服に付いてたのって血?」

ベッドに座った亜利哀は私を見た。

流れる沈黙に、それを肯定しているようだった。

「隠してた…。
茨が言いたくないって言うから。

あたし達のこと怖い?」

意外な言葉。

「怖くない。」

私は返した。

亜利哀はフッと笑うと、鮮やかな笑みを見せた。

「茨が上がったら、雨水も入ってきなよ。」

私は決めていた。

そして笑顔で頷いた。