気がつくと、オレは彼女に話しかけていた。


「桜、好きなの?」





「………え?」



彼女はオレを見て、かなり驚いてる様子だった。



まぁ、驚かれても仕方がない。




彼女も新品の制服を着ているからにして、新入生に違いない。



ってことは、オレとタメか?




「あ……うん。桜は好きだよ。」



彼女は優しく微笑んでくれた。



でも、彼女の瞳は何かに怯えてるように見えた。




それが何かは分からないけど……。




きっと、オレの思い違いかもしれないしな………。




それに、あれこれと詮索する必要もない。





「綺麗だもんな」



オレも、ポツリと呟いた。




そこからは、一定の沈黙が続いた。




時折、散る花びらに目を奪われてしまうほど……。