「よいか皆の者…。明日、我らはあの大穴に突入する!!」
バルバロッサの口角が恐ろしいばかりにあがる。
「ハハッ!!そうこなきゃあなぁッ!!
おい、ジイさん。俺が先陣きって突っ込ませてもらうぜ!文句はねぇだろう?」
ヴォルテールの目線がバルバロッサの方に向く。
「嬉しそうじゃな、バルバロッサ。
よかろう…。先陣はぬしに任せた。」
バルバロッサの口角がますますあがる。
「しかし、近衛兵は2分に分けて頂きたいですね。」
アルマーニが空かさず話に入る。
「近衛兵、騎馬隊、狙撃、そして、近衛兵…と段を組んで突撃した方が陣営は崩しやすいかと…。」
バルバロッサが舌打ちをする。
どうやら、このような細かい戦略は嫌いらしい。

「ンじゃ、俺は近衛隊の次に突入ってコトッスね〜♪
でも、騎馬降ろすにゃちょいと時間がかかっから…日が昇ると同時に先に下に降ろさせてもらいますよ〜♪」
ロイの発言にヴォルテールが頷く。
「よかろう…。迅速に頼むぞ。敵に邪魔されては厄介だからな…。士気が下がっている今が好機じゃ。」

そう言うと、ヴォルテールは、不貞腐れているバルバロッサを横目で見た。
「よいな?バルバロッサ。」
「チッ…わぁ〜かったよ。」
ヴォルテールは頷くと、再び杖の先を地面に叩きつけた。
「よいか、諸君。明日は厳しい戦いになるじゃろう。
兵も今日の戦で大分減ってしまったからの…。
じゃが、優位はワシ等じゃ!
これを好機に、ノアの首を取りに行こうぞ!!」
3隊長の口角があがった。程よい緊張と闘気が彼らを包む。

「明日、日の出と共に突撃開始とする!全兵にそれまでに準備を整えておくよう、しかと伝えといてくれ!各々…武運を祈る…。」
全員が一斉に席から立ち上がった。


   「…解散!!」