足元から目映い光が光線のように湧き出てきた。
そして、一瞬にして視界を覆い、辺りが真っ白になった。
あまりに一瞬の出来事で、音が止まったように知覚も遮断された。


実際の所、辺りは激しい爆破音と地鳴り、それに爆破の影響で波動の波ができ、人々が爆風に耐えていた。
ヴォルテールは目の前にいきなり姿を現したキノコ雲に、ただ圧倒され呆然と立ちすくんでいた。
彼だけでなく、他の兵達も敵味方関係なく巨大なキノコ雲に見入ってしまった。
しかし、我に返ったギルバードは急いで爆破現場にむかった。

到達した頃には、全身汗でびっしょり濡れていた。
視界に入ってきたのはただ立ち上る雲と砂埃であった。
それでもギルバードは目を懲らし、必死にアダムの姿を探した。

しばらくすると、雲が流れ、ようやく視界が開けてきた。
だが、目の前に広がる光景は予想をはるかに上回っていた…。