ぶつかり合った瞬間、激しい波動が草原の青草をあおった。
しかし、彼らはそれをもろともせず、ただひたすら進み続けた。
奮起に満ちた大群は、屍のように無心で戦っている。その様子を崖の上から見下ろす姿があった。
「うわぁ…すっごぃ…。」
メドゥーサは、ポカンと口をあけて眼下に蠢く大群をまじまじと見つめた。

「さぁて…と。奴らはどこかな〜。」
メドゥーサは崖から膝をついて体を乗り出すと、目を凝らして大群の中からアダムとノアを探しはじめた。
「!…いたいた♪白装束の先頭…純白の白馬…間違いない!」
メドゥーサは目を細め口角をあげ、嬉しそうに笑った。
「ノアだ!!」
もう一度目を凝らし、今度は反対側を見つめた。
「アダムは…最後尾、本陣か…。」
そう呟くと、メドゥーサはニヤリ怪しいと笑みを浮かべた。
「どなんしはったん?」
メドゥーサの背後からガイアが、軽快に歩み寄ってきた。
メドゥーサは首だけ振りかえると、満面の笑みをガイアに向けた。
「あのチキン野郎を本陣から引きずりだしてやるよ!」
そう言うと、スクッと立ち上がり空気を肺一杯に吸い込みはじめた。
そして、肺に含まれた空気を全て吐き出すように、大声を張り上げた。