「女子はよいのじゃ…。戦ごとは…男共に任せておけば…。」
老婆のゆっくとしたしゃべりと、そっと撫でてくれる手で少女はウトウトと眠りについた。少女が眠りについたことを確認すると、老婆はそっと腰を上げ部屋を出た。
外は、少々肌寒かったが、逆にそれが心地よかった。老婆は、一つ深呼吸をすると、天を仰いだ。
…神よ…。再びノアの一族をお救いください…。我らに、どうか繁栄のときを…。


老婆は、ゆっくりと目蓋を開いた。その瞳には、老婆にしては力強い闘志を秘めていた…。そして、老婆は腰にぶら下げていた金色の剣に目をやった。


…神よ…どうか、この戦争に終焉を…!!

老婆は、剣を片手に握り締めると、月光の届かぬ闇の中にゆっくりと歩んでいった…。