天☆地戦争

地面にﾋﾟﾀﾘと足を沿え着地した黒髪の少年は、口角をあげて不気味に微笑み、ゆっくりと体を起こした。体が完全に起き上がると、少年は両手を大の字に広げ大声で叫びだした。
「さぁっ!!待ちに待った終焉の舞台の開幕だぁ♪よぉ〜く聞け!僕の名前は『メドゥーサ』!!世界を終焉に導く者なり!」
少年、メドゥーサは崖の上にいる者達を眺め回した。少年は、身動き一つしない彼らを見て口の端で笑った。
「キャハハハハ!!どぅした?腰抜け共!!早く舞台にあがっておぃでよ♪」
赤毛の少年は、眼下に立っている少年を見下すように眺めた。笑みを殺し、無言で眼下に飛び降りた。
「笑えねぇっての…。このクソガキ。」
冷静を装い、アダムの残した刀の前に歩みよった。
「てめぇも下りてこいよ…。ノア!!」
少年、アダムは、ギラリと眼球を光らせ、幼い少女を見上げた。
その呼び掛けに少女は我にかえった。そして、そっと瞳を閉じ天を仰いだ。
…ゴメン、お婆様…。やっぱりｱﾀｼ戦うよ…。戦って…
パッと瞳を開き、少女は勢いよく眼下に飛び降りた。着地すると、ノアの形見である剣の側に歩み寄った。ﾋﾟﾀﾘと足を止めるや否や、勢い良く剣を抜き取った。少女の体に比例しない程剣は大きく、ズシリと重みが全身に伝わった。
「ｱﾀｼが皆を守る…!!」
自然とその言葉が少女、ノアの口からもれた。
「てめぇらは一人残らず俺が消してやる。」
少女に続き、少年アダムも刀を抜き取る。少年、メドゥーサもそれに続いた。
「僕らはまだ無力だ…。」
杖の先に付いてるサファイアが光沢を放つ。
「だから…またここで、再び逢おう!!次に逢う時は…」
三人の目が鋭いヒカリを放った。三つ声が一つに重なる。
「終焉の舞台の閉幕だ!!」

広大な大地に彼らの声が響き渡った…。