天☆地戦争

黒髪の少年はじーっと鍵を見つめていた。
「何だろう…？とりあえず大事なモノみたぃだから、持っとかなきゃいけないよね〜…。」
そう呟くと鍵を紐に通し、自らの首にかけた。ふと、少年は窓に目をやった。バサバサっと音をたててカラスが窓枠にとまった。そして、パクパクと口を開けて言葉を発した。
『タイヘンダ・ボッチャン！メドゥーササマガ･ダイチニアガッタ!!』
少年は口角をあげた。
とうとうこの時がきた…。
「O.K〜♪んじゃ、行こうか！」
黒髪の少年はすっと立ち上がると、メドゥーサの部屋に向かった。
彼女の部屋の重たい扉を押し開けると、壁一面に飾られている大きな絵画の前に足を止めた。
絵画には、大きな木が一本と3人の人類…右に目をずらしていくと、大きな方舟があり、大地を飲み込もうとしている。方舟の上に、白いマントをまとった人類が一人…天地戦争までの歴史が描かれていた。
少年は絵画を見渡した。先程のカラスが追い付き、少年の隣にとまった。
「さぁ、行こう。大地へ…。」
少年はそっと絵画に触れると、ズズッと手が絵画に入り込んだ。感覚はなぃ…。少年は口角をあげて、静かに絵画に吸い込まれていった。