月のぼんやりとした灯りが、大地を金色に染める…。足には影がピタリと寄り添っていた。青草の匂いが鼻をくすぐる…。男は煙管をふかした。
「そろそろ、降りてくる頃だと思ったぜ…ノア殿よ。」
男は振り向きはせずに、近づいてくる影に対して話し掛けた。その言葉に、老婆はピタリと足を止めた。
「やはり、そなたも感じたか…この胸騒ぎを…。のぅ、アダムよ…。」 妙な緊張感が2人を包む。…沈黙が流れた…。


しばらくすると、忍び寄る影がまたひとつ増えた。
「新しい時代の幕開け…かえ?うっふふ…。」
メドゥーサは不適な笑みを浮かべながら2人に近づき、一定の距離を置いて立ち並んだ。
3人の間に綺麗に正三角形ができた。