てぃーだが尊敬する涼風に会うのは、久しぶりの事であった。


自分の詩に、彼はどんな評価をしてくれるだろう。


そんな事を考えながら、てぃーだの足取りは軽く、その機嫌の良さから自然と鼻歌が流れてくる。



「♪~フフ~ン♪~~フン~♪……………」





しかし、てぃーだのそのご機嫌な鼻歌も、三十秒とはもたなかった。








「…ところでアンタ達、何でついて来ているの?」


歩みを止め、眉をひそめた怪訝な顔つきで振り返ったてぃーだの眼前には、いつの間にかよそ行きの格好に着替えたシチロー達三人の姿があった。


「いやあ~♪オイラも、旨い食い物と極上のワインがあれば、最高に幸せなんだけど♪」


「私も、ベンチャー企業の社長さんと仲良くしておいた方が良いと思って♪」


「高級ワイン飲みた~い♪」





「・・あのね・・・・」


余計な事を言うんじゃなかったと、後悔したがもう遅い。


コバンザメのように後をついて来る三人を引き連れて、憮然とした顔で、涼風宅へと向かうてぃーだであった。