もうもうと立ち込める煙で一時騒然となったこの部屋が落ち着きを取り戻したのは、七輪の上の魚がすっかり焼きあがった後の事であった。


その焼きあがった魚をテーブルの皿に並べ、涼風は満足そうに頷く。



「うん。実に旨そうだ!さあ、こいつをつまみにワインでも飲るとするか」






「いっただきま~す♪」




何はともあれ、食べ物と酒が目の前に並べば機嫌の良くなる子豚とひろき。


そして涼風の言う通り、確かに七輪で焼いた魚は絶品であった。


「おいし~~♪」


舌鼓を打ちながら、感激する子豚の様子を見て、涼風は嬉しそうに頷いた。


「そ~だろう、そ~だろう。……で、君は誰なんだ?」


「え…?」


魚を頬張ったまま、子豚の箸が一瞬止まる。


急にそんな質問を振られ、てぃーだが慌てて三人の紹介を始めた。


「あっ!ごめんなさい涼風さん。この三人はアタシが勤めている探偵事務所の仲間で、彼がシチロー。こっちの彼女が子豚ちゃんで、こっちがひろきっていうの」