「そうなん?」
「いつかきっと自由になれる日が来るはずだから‥」

空を見つめて呟く母を見つめ俺は首を傾げた。こんな生活がずっと続いていて本当に俺達に自由だなんてくるのだろうか?母の言葉について考えながらも俺は仕事を再開させた。

仕事が終われば陸がトコトコと走ってきて飛びついてくる。仕事でクタクタだと言うのに陸の遊びにとことん付き合わされた。そんな俺を見て母が微笑んでいたなんてその時は全然知らなかった。


この時は確かに辛かったけれどしっかりと仕事分の食糧支給と寝床の配布があり、なんとか生きてゆけることが出来た。

‥あの出来事が起こるまでは。