「どうして?僕達きっと同い年でしょ?僕、君とお友達になりたいんだ。僕友達いないから‥」

笑顔の中にふと淋しさが見えた。

人間はみんな優しさに囲まれて幸せなんだと思っていた。そんな人間という存在が少し羨ましかったりもした。その反面憎いと思う気持ちもあった。

しかし何故だかその時はこの陸と言う子を守ってあげたくなった。俺がいて笑顔を見せてくれるなら、この悲しい視線にも堪えられる気がした。

「俺でよかったら友達になったるで。」
「え?ほんと?わぁ、涼ありがとー!」

俺の豆だらけの手が陸の髪の毛を撫でる。陸はくすぐったそうに体をよじらせて俺の方を見れば明るく微笑えんだ。