俺と陸が出会ったのは3年前の太陽がさんさんと照り付ける真夏日だった。

首都"キルド"から少し離れた所にある、亜種強制収容所"バハム城塞"で管理されていた俺と母は、鉱山の村"サムル"に鉱山での労働者として派遣された。

サムル鉱山では様々な用品には欠かせないマカライト鉱石が沢山取れるため俺達のような亜種や下層民が労働力として沢山派遣されていた。

そのサムルで出会った少年こそが陸だった。

陸には父も母もいない。それなのにいつだって陸は笑顔だった。しかもエルフだ、と人々が厳しい視線を向けるなか真っ先に俺に話しかけてくれたのだ。

「僕、陸っていうんだ。君はなんていうの?」
「俺は‥涼です。いいんですか?俺なんかに話しかけても。」

陸に突き刺さる冷ややかな目を気にしながら小さな声で囁けば陸は俺に微笑みながらこう答えた。