ラフな格好をしている学は、俺が信頼している仲間の一人だ。


顔を合わせるのは久しぶりだが、相変わらずだ。
学は、葛城に向き直る。


「ナンバーを覚えた?」

「はい」

「あんたも殴られてるな」

「私は大丈夫です。それより早く……」

「あぁ……」


学が手帳を取り出し葛城の覚えたというナンバーを書き写す。
すると、ポケットの中にある携帯がまたなりだした。
携帯を取り出すと、非通知だった。
これは出なきゃいけない。そう直感で通話を押した。


「………はい」

『あんた、香山敬夜社長?』