「どうした」

『すみませんっ、はぁっ奥様が……!!』

「麻理亜がどうした!?」


葛城の言葉は信じられない内容だ。
声からして葛城も何か被害を受けているようだ。


麻理亜に一体何がっ


『何者かに連れ去られました………!!!』

「何だと!?」


自分がまだ会議室にいるということを忘れて叫ぶ。室内の視線が全部集まる。


『私の責任です……!!』

「そんなことより麻理亜は!!」

『黒のワゴンに乗せられて……』

「ナンバーは!?」

『なんとか……っ』


動揺するな、冷静になれ。