「今日会議があるから昼持ってこなくてもいい」


珈琲の準備をしている麻理亜にそう言う。


朝、こうやって一緒に起きて朝食を取って、昼は麻理亜が弁当を作って持ってきてくれている。別に社内にある食堂でもいいんだが、麻理亜が作って持っていくと言い張った。


なんでも、食堂の料理の栄養バランスが分からないから、とか。
よく分からないが、俺の体を心配してくれているんだと思うと嬉しすぎるので弁当をつくってもらっていたのだが、生憎今日は会議が入っていて何時終わるか分からない。


「じゃあ昼ご飯どうするの?」

「食堂で……」

「だめ」


ことっと珈琲の入ったカップが置かれた。