結婚する前から当たり前のようにしていたこの行為に、麻理亜は何時まで経っても初々しい反応をしてくれる。
そこが可愛くてもっと意地悪をしてみたくなるが、機嫌を損ねたくはないので、ここで終わりにしておく。
仕方なく麻理亜に背中を向けると、後ろで麻理亜がベッドから出ていくのを感じる。布が擦れあう音が聞こえてきた。
「麻理亜、まだ?」
「……もうちょっと」
別にもう麻理亜の方に向き直ってもいいのだが、こんなやりとりも俺は好きだった。
「敬夜さん、もういいよ」
麻理亜からお許しが出たので向き直ると、しっかりと服を着た麻理亜がいた。
ちょっと残念だな、なんて思ったのは秘密だ。
「敬夜さん」
「ん?」