「そうそう。
あと、俺の葵にも何かしたら許さないからね~」

と、晃先輩。
葵ったら、顔真っ赤にさせちゃって。
愛されてるね―!



「「そいうことだから、よろしく」」

そして微かに聞こえた、リップ音。


……リップ音??
オイ、待てここは落ち着け。

いやいや、無理だろ――!!
だって今、仁が全生徒と先生達の前で、


キスしやがったぁぁあ!!!


「「何すんだよ(何すんねん)」」

思わず叫ぶ俺達。
もちろん、もう一人は葵のだ。

「「何ってキスだろ(じゃん)」」

普通に答える、仁と晃。



「ふざけんな―!」

怒っている俺に仁は、かまわず耳元で低く俺に囁いた。


"愛してる、紅葉"




そう言われて、自然に怒る気もなくなる。

だって、仁は世界で一番愛してるから。



「俺も、仁のこと愛してるから…」