「なぁ、紅葉―」
「なんだ、葵?」
「恋人とデートしたくね??」
と葵。
「はっ!!?」
何故急にそれを言うんだ?
俺達二人は今、お昼ご飯中だ。
仁と晃先輩は、テストとかで忙しいみたいで一緒にご飯はたべていない。
「デートしてんじゃん」
俺は葵に言った。
「そりゃしてるけど、そんなんじゃなくて手とか繋ぎたいんだよ!」
葵は、顔を真っ赤にして言う。
乙女だなー。
でも、確かにしたい。
仁とやってみたい。
「でも、男同士だぜ??」
そう忘れてはいけない。
どう考えても無理だ。
人前で手を繋ぐとか、
人気の多い路上でキスとか。
「でもな、それができるんや!!」
嘘だろ!??
葵は一体何を思いついたんだ?
「どうすればいいんだ?」
「それはな…」
もったいぶらずに早く言えっ!
「女装すればいいんだよっ!!」