町を抜け、海の音が近くなり、俺は

『お隣さん』

と、雑木林の暗闇に向かって声をかけた。

すると

(ガサッ…ゴソッ)

と草木を掻き分ける音がし、お隣さんがヌーと姿を現したのだ。

お隣さんは、俺を見るなり説教を始めるべく、口を開けた。