仕方がないので、近くの蔓草を沢山まとめて寄り合わせ、一本の長い紐にし、それを泥棒の体に巻き付けた。

ふと、泥棒の顔を良く見ると、まん丸で愛嬌のある顔をしている。

しかし口は俺達とは違い、鳥の嘴の様な菱形をして、中には鋭い歯が沢山並んでいた。

せっかく作った紐を食い千切られたら大変なので

口もグルグル巻きにしてから、お隣さんに預けてきたのだ。

『式の邪魔になると困るからね。

邪魔にならない所に置いてきた。

それより、お前、泥棒を捕まえた事、誰にも話してないよな?』