『ごめんください』

父猫が扉越しに声をあげ、その直後、勢いよく扉が開いた。

『兄さん!!お久しぶりです。遠い所なのに、ありがとうございます』

『いやいや。構わんよ。このたびは、おめでとう。うちのボン(息子)より先に結婚するとは…』

父猫達の挨拶は省略しよう。

暗に

(お前はいつ結婚するんだ?)

的な事を含んだ話だからだ。

父猫達の会話の最中、今回の主役、俺の従兄弟がいつの間にか側に来ていた。