月村と呼ばれた男の子が、教室に入って来た。


私はそっと、その男の子に目を向けた。


ドキッ


何…??この胸が締め付けられるような感じは…。

──
「それでは月村君。みんなに挨拶をしてください。」


「月村 流矢です。よろしく」

月村 流矢と名乗った人に、私は釘付けだった。

今まで恋をした事のなかった私は、これが恋なんだって事にまだ気付かなかった。