(バイトしてみようかなぁ)

新作のゲームは欲しい。
でも母は小遣いをくれない。


ならバイトをするしかない。
バイトで稼いだ金なら、使いたい放題じゃないか。


そう考えるとバイトをするのも苦じゃないかもしれない。


僕は、そう結論付けると、いても立ってもいられなくなった。
早速、携帯サイトでバイトのことを調べた。



いくつか選び出したのは、コンビニと飲食店とカラオケ店だ。
どれも大学の近くを選んだ。


大学の帰りに働けば、週に5日働くとしても、楽だろうと考えたからだ。

だが、その3つの中で、どれが一番いいのか僕にはわからなかった。

時給はどれも一緒。


バイト経験のある兄に、どれが良いか聞くと、


「週5のバイトはかなりキツいぞ」


と鼻で笑われた。


「俺だったら、週3か4で入るな。手っ取り早く稼ぎたいなら夜間に入るか労働系のバイトしろよ」


兄に言われ、やる気がなくなり始めた。
甘く考え過ぎだったと、恥ずかしくなる。


「ゲーム買うだけなら、俺が高校の時やってたバイト紹介するぜ。給料は安いが、楽しいから」



そう言って、兄は僕の有無も聞かずに、どこかに電話をかけた。