あたしは狭山くんのほうを見ていた





狭山くんは窓の外を見たまま









「似合ってたよ」







いきなり、言われた





「え?、何が」







あたしのほうに体を向けて頬に手をかけた




「めがね、」







少し冷たい手が熱くなるあたしの頬の体温を下げていく






スルッと手が抜けた








「目、悪いんだ」






「えぇ…」







「コンタクトはやめな」







「え…」







「めがね、似合ってるから」







口説き文句か…








心臓が飛び跳ねた