握られていた、手は狭山くんの手の温度も微かに感じた






「またな、」








「待って、」




待って、というと

振り返らずに立ち止まった




「なんで、送ってくれたの」




「もう、暗いから」





「あたし、もう大人よ…送ってくれなくても大丈夫だから」



「…」




「それに、先生と生徒だから一緒にいたら変な目で見られちゃうし」







「ごめん、」






「……いや」





予想外だった






別にいいじゃん、とか


学校でも一緒にいるじゃん、とか




言われるかと思った










ごめん、と謝るあなたは普通の大人なの男子より、大人に見えた