大希はたまに行くという、神田の 何の気取りもない居酒屋に私を 連れて行ってくれた。 珍しい物も高価な物もないが、不思議と 落ち着ける店だった。 それなのに私は、余り明るくない店内で 彼とこうして向き合っている現実に また興奮して来た。 本当にどうしたというのだろう? 自分の中から湧き出てくる嬉々とした感情を 持て余す程の状態だった。