そんな大熊さんに私は多少、イライラしたが

大希は全くそんな素振りを見せることは

なかった。


そしてその日、大熊さんの次々と

飛び出す質問に答えていたのは

営業では先輩の私ではなく、大希だった。


大希は頭の回転がいいのだろう、

大熊さんのどんな質問に対しても

ただだらだらと説明するような事は

一切しない。


説明するべき所はしっかりと説明し

そうでないところは簡潔に話し

臨機応変に大熊さんの話に付き合って

いた。