それなのに私は窓を開けることも

クーラーをつけることもしようとはせず

ソファーに横たわった。


そして離婚届を顔の上に広げて眺めた。


「私はどうすればいいんだろう?」

離婚届の夫のサインの文字を、指で

なぞりながら考えた。


すると頭の中で声がした。


「どうしたいの?」


「どうしよう・・・・・・どうしよう、離婚したら

大希と会ってもらえなくなるかもしれない」