ホテルから出て自宅に帰ると もう午前一時を過ぎていた。 そっとドアを開けると、麻衣が暗い リビングでテレビを小さいボリュームにして 点けていた。 「お帰り」 ちょっと声に元気がない。 「ただいま」 私が部屋に上がると、振り向いた麻衣の顔は いつになく暗い。 ひどく不満げなぶすっとした顔をしていた。