『ほら、着きましたよ。拓様の御自宅にございます』


頼稜さんが、そう言うと目の前にたたずむ、大きな黒い扉が左右に開いた。




大きなトラックがすんなり入れるくらいの、大きな門。



自動扉。




これが、大富豪?





その設備に圧倒されながらも、車は中に進む。



中には、また更に驚きの世界が広がっていた。




白い石で出来た噴水。



薔薇園みたいな、アーチ。




車の中から、目を見張る。



『す、凄いわ…』





早く降りたい衝動に駆られる。


車の薄黒い窓から見るより、鮮やかな色で見たい、と。