『海斗、本当は寂しいんだろ?拓さんに、白純美を取られるのが』
佑馬くんがにやにやして、海斗をいじる。
佑馬くんこそ、よくわからないわね。
と思って、微笑する。
『寂しくなんかねえし!!!!こいつが居ない方が、静かで楽だよ』
こっちの台詞ですけど!!!!!!
あんたと居ると、落ち着いてる時間もないし。
『白純美、戻って来てよ…?置いてかないでね?』
海斗から目線を外して、恵を見る。
その心配そうな声が頭に響く。
『大丈夫よ。恵から離れることはないから!!絶対に』
その不安を、打ち消す。
この嘘のない笑顔で。
『ま、そういうことだから。また明日ね』
呆然とする四人に、短く手を振り、教室を後にする。
私は、桜を追い続ける。
いつまでも、いつまでも。
例え、
金のように高貴なお人でも、
花のように儚い人でも。
「好き」
この気持ちは、変わらない。