『ちょ、ちょっと考え事してたのよ!!!!』


思わず声を荒げる。

考えてたことが知られてたら、恥ずかしい。




『た、拓は何人家族なの?』




慌てて口から出した問い。

さっき、たくさんって言ってたわよね?

同じようなこと…迷惑だったかしら。


そう思って少し後悔する。



『家族、ねえ…』


拓は一度、口を閉じて、一瞬黙った。


でも、後悔する必要は無かった。



拓はすぐに顔を上げて、口を開いた。


『父上、母上、弟の秀介と……頼稜、真優…』



よりたか?


まひろ?


私の思考は一時停止。



あれ?さっき、兄弟は秀介くん一人だけって…。




『ま、待って!!!!』


『ん?』



拓は不思議そうに、私を見つめる。

『よ、頼稜さん?と真優さん?それは誰なの?』



ま、まさか!!!!!!!



「誰なの?」口に出してみて、ようやく気付いた。


御兄弟でもなく、御両親でもない。


そして、拓は美青年。


ならば、弟の秀介くんだって、かなりの美少年。

恐らく、いや、絶対に。



そんな人に、


将来を誓った、愛を誓った人がいないことあろうか。