『まあまあ。白純美、これからよろしくね?』
佑馬くんはやっぱりにやにやして言う。
と、同時に海斗を制することが出来ることに感心してしまう。
『海斗、ごめんな?なるべく手は出さないで置くから』
佑馬くんは意地悪そうに笑った。
何を言ってるのよ。
私と海斗はまるで犬猿の仲。
私が、春に咲く桜ならば、
海斗は、秋に咲く秋桜。
海斗が、夏に咲く向日葵ならば、
私は、冬に咲くクロッカスの花。
───対比する季節。
まるでそんな感じだもの。
気持ちなんて、分かり合えないのよ。
ましてや、そんな海斗が私に淡い感情を抱くなんて、あり得ないわ。
なのに──────。