『…海斗っ!!!言い過ぎだぞ!!!』


『うっせえよ佑馬!だってこいつが!!!』



いつの間にか、佑馬くんと海斗の言い合いになっていた。

私は、当たり前だけれど、海斗にむかついていたから、佑馬くん側についた。



本当に、子供。




『…白純美、本気なの?』



突然、恵が私に問いかけた。





───────本気?





とっさにさっきの情景が浮かぶ。

私を覚えててくれた彼。


あなたの「桜」になりたいと思った私。



好き?



問われれば、答えは出る。




『本気よ。彼が好き』




そう言い終えた、本当にその瞬間に、海斗は私を睨んだ。



『帰る』



そう言葉を吐き捨てて、家の方向へと帰って行った。

その姿は、なんだか寂しくて。
けどやっぱり許せなくて。



『海斗は…俺に任せて』


佑馬くんが海斗の後ろ姿を追う。


まるで、海斗のお兄ちゃん。
優しいんだな。