『あ─…なんでだよ…』
私たちは運が悪い。
『さっきまで快晴だったのに…』
音を立てて降る雨。
…本当にさっきまでは快晴。
雲一つない青空だった。
『仕方ない、遊園地は今度にしよう』
『え~せっかく5人で集まったのに…』
恵は本当に楽しみにしてたみたい。
本気で落ち込んでる。
電車に乗りながら、ぶつぶつ呟いてる。
ようやく、駅に着いた時に恵が相当へこんでることに気付いた佐々木くん。
『遊園地の代わりに、俺ん家来る?』
突然のお誘い。
恵のさっきまで、落ち込んでいた顔が、嘘のように消えた。
目を輝かせて、佐々木くんを見つめる。
『行くっ!!!!行くっ』
とても嬉しそう。
今日初めて会って、惚れた相手の家に行けるんだもん、当たり前かな。
『わかった。じゃあ佑馬たちも…』
『いや、俺らはいいよ』
『おう!別行動ってことで!!』
二人ともニヤニヤして佐々木くんを見る。