反応は意外とあっさりしていて、でも秀くんや頼稜さんには興味を示した。
直也くんが嫉妬するわよ?、と言っても、なんとなく上手くかわされた。
そんな恵で良かったと思う。
ふと窓の外を覗くと、一週間前と同じように、サクラ色が鮮やかに散っていた。
気付くと、咲くサクラ色の中に若葉色が顔を出している。
もう、春が終わる。
なんだか早く、時が流れて行った気がする。
たくさんの出逢いがあったな、色々変わってしまったな、なんて感傷に浸ってしまう。
未来の自分が“今”を見たら、一番ゆったりと時が流れていたのは、いつだと言うかしら?
この春よ、と言う気がする。
変化があって慌ただしい毎日だったけれど、
それ以上に柔らかかった。
恋、を知ったから。