確かに、16歳の私はまだ親の承諾が無ければ結婚出来ない。
西条家で、拓と同棲しているだけになる。
もちろん、今も。
私とて、拓の妻に成れたらどんなに嬉しいことかしら。
けれど、ただ貴方の傍に居られれば良いわ、とも思う。
“結婚”も貪欲だけれど、
“拓の桜”こそ私の求める成りたいもの。
拓の妻として、西条のお嬢様をやっていたいとも思う。
本当に。
けれど、拓が言ってくれた
“お嬢様をやらなくていい”という事が、未だに頭に残る。
きっと、とても嬉しくて。
『さくら行こうか!!』
けれど、大事そうに優しく手を取ってくれる拓を見ると、嬉しくなる。
お嬢様、そんな扱いも。
結局どうなのか分からない。
拓の傍に一生居られれば、
と、それだけを切実に願う。