そんなことを延々と考えていたら、頼稜さんの楽しげな声が聞こえた。
『白純美様、拗ねてしまいますよ』
頼稜さんの顔は、困った様子だったけれど、声は楽しげ。
きっと、声のトーンの方が本心だと思う。
『どうかしたの?』
拓の方に姿勢を変えると、拓は慌てて言葉を放った。
『よ、頼稜!!またそうやって!!』
その顔が赤く染まっている。
何の話か分からないから、ただ首を傾げる。
それにしても、頼稜さんは意地悪なのね。
拓が声を荒げるだなんて、頼稜さんにだけな気がするわ。
私は、そんな二人が大好きなんだけれど。