秀くんの顔をチラッと見たけれど、その瞳には四つ葉が映っていた。
いつまでも言葉を落とさない秀くんに、少し呆れて、私が続けて言葉を落とす。
『秀くん。この、白い花は何て言うの?』
拓が言ってたわ。
花とかに関しては、秀くんのが知ってるって。
楽しそうに、嬉しそうに話してたっけ。
秀くんは、知らないの?、という呆れた様子で、私を瞳に映した。
『白詰草』
しろつめくさ。
秀くんは一つだけ、白詰草という花を取って、私の手のひらの四つ葉に添えた。
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