体育館にはたくさんの一年生がいた。
派手な子もいれば、おとなしめな子もいる。
男子も女子もとにかく個性に溢れていた。
『ねえ、あの子かっこよくない?!』
恵が目をキラキラさせながら、とにかく男子を探す。
私は、「そうだね」しか言わなかった。
素っ気なかったかもしれないけど、仕方ない。
恵と私は、男のタイプが全然違うんだから。
『やばーい!!!白純美っ!あたし、あの人がいい!!』
と、恵が目を一段と光らせている向こうには、金髪のチャラい男がいた。
それを見た瞬間、
『あ~、無理』
私は即答した。
恵は怒って、問いかけてきた。
『じゃあ、白純美のタイプは誰なのよっ!?』
私のタイプ?
私は辺りを見回した。
本当にたくさんの人がいる。
私は、一度ニヤリと笑ってから、指をさした。