『私、秀介くんに会いたい』
私がそう言うと、拓は一瞬驚いた様子で、目を見張った。
あまりにも、唐突だったからかしら?
『秀介に、か?』
『ええ。駄目かしら?私、このまま嫌われてるのも嫌だもん。いずれは弟になるんだし…』
そこまで言って、口をつぐんだ。
急に恥ずかしさが込み上げてきて、顔が赤くなるのが分かる。
いずれは弟になる────
そ、そんな!!遠回しに、そんなことを、つい…!!!!
『さくら~?頭ん中で、何考えてんだよ?』
ニヤニヤしながら、問いかけてくる。
いや、その顔は、どんな内容か分かってるくせに!!
『と、とにかく!!秀介くんに会いたいのよ』
駄目?、と念押ししてみる。
すると拓は、椅子から立ち上がって、私の傍まで来た。